【オステオパシーの原理】
身体の機能障害や慢性的な疾患は、筋肉や筋膜の拘縮(以後“筋拘縮”と表記します。拘縮:こうしゅく=長期間収縮し硬くなった状態)に起因する血流不全や、神経障害が原因することのほうが多く、この不良の状態を「体性の機能障害=ソマティック・ディスファンクション」と言い、これは身体が持つ自然治癒力Spontaneous cureが損なわれた状態でもあります。
※体性機能障害=SD(Somatic dysfunction)の定義=「骨格、関節、筋・筋膜、それに付随する血管、リンパ、神経の各構成要素を包含する身体システム(体の骨組み)の機能が障害を受けたり変性された悪化状態」
骨格の変位LESION:リージョン(骨のズレ)や可動性の減少も「骨の問題」ではなく、筋拘縮が骨を引っ張るために発生しており、痛みやシビレもやはり筋拘縮が神経を圧迫することにより起因することが多いのです。
数々のオステオパシーテクニックは、無理やり「もみほぐす」「たたく」「伸ばす」「押し戻す」を行うのではなく、中枢神経に働きかけ「筋拘縮を『自発的に解放』させる」ことを目的とし行われます。
※一過性の筋収縮SPAZM(スパズム)と慢性的な筋拘縮CONTRUCTURE(コントラクチュアー)を別定義します。
また、脳と脊髄を覆う髄膜間を循環する「脳脊髄液の循環不全」(三層の髄膜の外層=硬膜のひずみやゆがみが起因する場合が多い)からも、不定愁訴が生じ、自然治癒力は損なわれます。
健康状態ならば生物は自然治癒力を持ち合わせています。この良い状態を継続していくことを「恒常性の維持=ホメオスターシスHomeostasis」と言います。
身体の構造と機能は相互に影響しあっているので、人体を一つのユニット(単位)と考え、全人体的に捉えてアプローチしていかなければなりません。
「体性機能障害」や「脳脊髄液の循環不全」等を改善し、身体の「自然治癒力の回復」「恒常性の維持」を図ることが、オステオパシーの根本理論なのです。
【オステオパシーの基本原理】
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1.身体は1つのユニット(単位)である。 2.身体は自己治癒能力を持つ。 3.構造と機能は相互に関係し合う。 4.治療は以上3つの基本原理に基づく。 |