★早分かりオステオパシーQ&A★

Q1.オステオパシーって何ですか?
A. 体性機能障害を治療するために約150年前にアメリカの外科医A.T.スティルが開発した手技療法で、オステオパシーOsteopathyはオステオン(骨)とパソス(治療)というギリシャ語を合わせた造語です。
医師が用いる手技療法として発達したオステオパシーは、現在では「ボキボキッ」と行なうハード手技ではなく、身体に負担を掛けない安全なソフト手技や超ソフト手技が主流となっています。
又、内臓の可動性を調整する内臓マニピュレーションや神経障害・ストレス・心の領域まで対応する頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)等を包括した総合手技療法に発展しています。

Q2.その体性機能障害って何ですか?
A. 慢性的な身体の痛み・シビレ・倦怠・神経障害・内臓障害・骨格変位・不定愁訴などは、『ウイルスや細菌・細胞組織の変質・骨折や挫傷・骨や軟骨の変形や損傷などが原因した器質性障害(病変)ではなく』、主に筋肉が縮こまったままになってしまったことが原因して起こします。
これを
体性機能障害 (身体を構成する筋肉・骨格・神経・血管などが繋がった身体機能システムの不調や変性された状態)と呼びますが、日本の病院ではこの概念がなく筋肉の状態・質を診ないので病気と認定されないことが多いのです。

Q3.筋肉が縮こまっただけで、そんなにいろいろな不調の原因になるのですか?
A. 身体で骨や体毛などを除けばほとんどの組織は筋肉です。内臓も内臓筋(平滑筋)と呼ばれる筋肉であり、普通に筋肉と呼んでいるのは骨格筋のことです。
この骨格筋が縮こまり(こり)、知覚神経を圧迫すれば痛みやシビレが、運動神経を圧迫すれば麻痺が、自律神経を圧迫すれば内臓などの不調が、骨を引っ張れば骨格のズレが、血管を圧迫すれば血流不全が、その他リンパ液の循環不全なども起こしてしまいます。
その他中枢神経(脳と脊髄)にかかわる、脳脊髄液の循環不全をまねく原因ともなりうるのです。

Q4.どんな手技療法を行なうのですか?
A. キーワードは「コンフォート=安楽・快適」。オステオパシーでは基本的に器具を使わず全て手技(しゅぎ)による安全で快適な施術を行ないます。
現代では体性機能障害を主に3分類してアプローチします。
@『筋・骨格・神経系のアプローチ』
筋膜リリース 」:筋肉を無理やりほぐすのではなく、筋肉に気持ちが良い持続圧をかけて自主的に緊張を開放(リリース)するよう促す。
ストレイン・カウンターストレイン 」:安楽な姿勢を90秒間保持することで緊張を開放する。
筋エネルギーテクニック 」:安楽な方向に筋肉を運動させた後に休ませる(リラクゼーション)ことの繰り返しを行なうことで緊張を開放する。
A『硬膜系のアプローチ』
頭蓋仙骨療法 」:中枢神経(脳と脊髄)に拘わる脳脊髄液の循環不良をおこす、脳と脊髄を覆う硬膜のひずみを解消する手技であり、肌に触れているのはわずか5g程のタッチで行なわれる文字通り超ソフト手技
B『内臓系アプローチ』
内臓マニピュレーション 」:内臓の機能不全に対処する手技で、20〜100g程の心地よい圧で体表から内臓の可動性を調整する
他にも数々の安全で快適なテクニック使い分け、上記3系統のアプローチでほとんどの慢性的なこり・傷み・シビレ・不定愁訴など、身体の中枢(硬膜系)から末梢部(筋骨格神経系・内臓系)まで総合的にカバーします。

Q5.カイロプラクティックや整体のように「ボキボキッ」と強くやる方が効果があるように感じるんですけど?
A. オステオパシーのソフト系手技は「強く行なった方がより効果が出る方法を、弱く行なっている」のではありません。全く違う理論体系にある「痛みを伴なわないように安楽に行なうこと」が正しいやり方であるテクニックを行なっているのです。
カイロプラクティックは創成期のオステオパシーを模範として始まったと言われており、オステオパシーの中にも
スラストテクニック などのハード手技もありますが、筋肉などの組織に負担をかけ傷めてしまうとより硬い組織になってしまいます。ソフト系手技はそんなリスクを負わずより高い効果が期待できるのです。

Q6.変形性股関節症や椎間板ヘルニアなどの器質性障害はオステオパシーでは治りませんか?
A. 一度変形した骨やすり減った軟骨、つぶれた軟骨などが手技療法で元に戻るわけではありません。しかし、病院でそれらの器質性病変により障害が出ていると言われても、実際にはそれよりも筋肉異常による体性機能障害の割合の方が多いこともしばしばあります。器質性病変には必ず構築性病変(体性機能障害)が合わせて起こりますし、ほとんどの場合構築性病変がまず起こり結果として器質性病変につながっていますので(筋肉が縮こまったことで関節に多大な負荷をかけるようになり変形・変質が生じた)、体性機能障害を改善するオステオパシー療法で何割か、あるいは相当程度の改善は望めることもあります。

Q7.先天性の障害や小児麻痺などにはオステオパシーは効果はありませんか?
A. それ自体が治るわけではありませんが、身体を使い難い又は使えないことにより筋肉が硬くなったりしているはずですので、筋肉の緊張を開放したり、硬い組織を多少揉みほぐしたりすることで症状の緩和や機能の改善を図るためのリハビリテーション的手技を行なうこともあります。

Q8.オステオパシーは病院では行なっていないのですか?
A. アメリカなどではオステオパシードクター(D.O.ドクターオブオステオパシー)の養成機関である医科大学もあり、D.O.は医師そのものですが、日本では体性機能障害という概念すら医学界にない現状ですので、当然病院で行なっているところはありません。(個人的にオステオパシーを学んだ医師が個人医院で一部施術している所は数箇所あるようです)
仮に病院で医師がオステオパシーの手技を行なっても、保険適用の治療法として認められてない以上は実費扱いになりますので、相当高額になってしまいます。
現在、先進的な理学療法士は意欲的にオステオパシー手技の導入に興味を示しており、医療系大学・短大でも研究が始まっているようです。しかし、日本では理学療法士は医業従属職であり医師の指示がなければ如何なる医療行為も行なえませんので、リハビリの現場への導入には医学界(医師)の理解が必要だと考えられます。
ですから、今後も当分の間は民間療法の分野の施術院がその役を担って行くのだと思います。
体力や施術時間(1時間くらいはかかります)採算性の問題もあり、本場アメリカでもD.O.で実際に手技を使う者は1〜2割にしか過ぎず、ほとんどの者は注射・投薬・手術といった治療法しか使わないといわれています。

Q9.それでは、日本でオステオパシーを行なう民間療法院は多いのですか?
A. 現在のオステオパシー手技は安全なものが多いので、既存のカイロプラクティック、整体院、整骨院などで一部だけ取り入れているところは多々あります。しかし、オステオパシーを専門に行なっているところは全国的にもまだまだ少ないのが現状です。

Q10.筋肉異常はなぜ起こるのですか?
A. 慢性的な筋肉異常のことを筋拘縮(きんこうしゅく:筋肉が縮こまったままの状態)といいますが、それが起こる原因は、打撲・怪我の後遺症、遺伝的な要素、内臓反射もありますがほとんどの場合は習慣性の問題や筋肉疲労です。
現代人は運動不足になりがちですので、筋肉を使わないことで衰えてしまったり、成長期であれば発達していなかったり、いずれも硬くなる原因です。反面、立ったまま座ったままで長時間同じ姿勢を強いられる環境ならば身体を支えるために働く筋肉は使われっぱなしになり疲労を起こしてしまいます。そして、血流も悪くしてしまい余計に筋肉を硬くしてしまうのです。
スポーツ選手などは筋肉の使いすぎ(オーバーユース)により筋肉疲労を起こし、運動後のケアーをしていないと、血液中に乳酸が発生・残留し疲労物質に変わってしまいます。
また、ストレスも現代人には大きな要素となります。

Q11.低脊髄圧症候群や髄液漏れと言った病気が話題になっていますが、脳脊髄循液の循環不良とは関係があるのですか?
A. 脳と脊髄を覆う髄膜(外側から硬膜・くも膜・軟膜)のくも膜と軟膜の間を循環し「中枢神経の栄養補給・新陳代謝を司っている」といわれるのが脳脊髄液ですが、これが何らかの原因で硬膜に穴が開き脳脊髄液が漏れ絶大な不調が出ている状態を低脊髄圧症候群といいます。
「事故での鞭打ち、身体に強い衝撃を受けた、強く尻餅をついた」などが原因するといわれていますが、本当に髄液漏れを起こしているのならば専門の病院で検査を受けブラッドパッチなどの手術的治療が必要になります。(髄液漏れの原因は事故などの外傷性のものより、髄液検査ルンバールや脊髄造影剤注射などで硬膜に注射針を刺した術後後遺症の方が多いとも言われています)
ところが、髄液漏れを疑うほとんどの人はそうではなく、脳脊髄液の循環が悪くなっているだけか(硬膜のひずみが原因する)、慢性的で根深い肩・首のこりが『椎骨変異』を起こし重大な不定愁訴を起こしている場合の方が多いのです。このような場合はオステオパシーの適応範囲に入ります。

Q12.オステオパシーで何でも治りますか?
A. オステオパシーの適応範囲は体性機能障害に限られます。骨折・挫傷・細胞組織などの変質・細菌性の疾病・急性の肉離れ・ひざに水が溜まっている、などが治るわけではありません。
急性のぎっくり腰などでも手を付けてよい部位とすべきでない部位があったりもします。「出来ないことは出来ないと見極め」「病院での受診が必要な場合は直ぐに勧める」ことが民間療法の範疇で行なう施術者のモラルだと考えます。

Q13.何回くらい通えば良くなりますか?
A. 個人個人の身体の状態により違いますので、見てみないと何ともいえませんが、経年している病変は長くかかり、一過性のものは短期で済むのは当然です。
オステオパシーで行なうのは、無理やり薬で症状を感じなくさせたり、コルセットなどで固定するわけではありません。
「本来のより良い状態に戻す」手技を行ないます。施術を行なったときに本来の状態に戻すことは比較的た易いのです。ところがオステオパシー療法を受けるほとんどの人は慢性的症状ですので、誰でも「悪くなったのには特定の原因がある」と思いたいのですが、原因は日常生活での運動不足や過労・ストレスにあります。日常生活を改善しなければ同じことの繰り返しになることも多いものです。
セラピストと共に、「何処が悪くて、何が原因しているので、どう日常生活を改善したら良いか」を見極めて、筋肉のケアー(疲労を取り、柔軟性を取り戻す)為の運動方法等を行なうことが、より早い健康回復につながります。
オステオパシーのセラピストは全身全霊で健康回復のお手伝いをさせて頂きます。

少しはオステオパシーを理解していただけましたか?
このコンフォートな手技療法が「慢性的な体調不良や不定愁訴に安全で絶大な効果がある」と評判を呼び、

注目を集めているのです。

その他の情報をブログ記事でも紹介していますのでご参考にして下さい。

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